遺言の内容に不服がある場合と遺留分減殺請求

事務員:遺言の内容に不満がある場合、相続人の方は、何か主張できないでしょうか。
 
弁護士:ここで、具体的な事例を仮定して説明します。
     被相続人のAさんが、死亡し、その法定相続人は、長男Bさんと二男Cさんであるとします。
     Aさんの遺産は、預金のみであり、その金額は2000万円であるとします。
     Aさんは、先月、死亡しましたが、全ての遺産を長男Bさんに相続させる旨の
     公正証書遺言を残していました。二男のCさんは、遺言の内容に不服があります。
     この場合、Cさんの立場に立って、どのような請求ができるか、考えてみます。
     なお、Aさんの公正証書遺言作成時における判断能力(遺言能力)に問題はないものとします。
 
事務員:Cさんとしては、Bさんが全ての遺産を相続することに不満を持つことは、あることですね。
     このとき、Cさんとしては、どのような請求ができるのですか。
 
弁護士遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)が考えられます。
 
事務員:遺留分減殺請求?
 
弁護士:遺留分は、兄弟姉妹を除く相続人に認められています
 
事務員:この場合、Cさんの遺留分の割合は、どのくらいですか。
 
弁護士:Cさんの遺留分の割合は、4分の1です。
 
事務員:Cさんが遺留分減殺請求権を行使して得られる財産は、遺産の4分の1ですか。
 
弁護士:特別受益等がある可能性もありますので、常に遺産の4分の1とは限りません。
     遺留分の算定については、別の機会に説明する予定です。
 
事務員:遺留分減殺請求は、いつまでも行使できるのですか。
 
弁護士:民法上、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は
     遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないときは、
     時効により消滅する旨が規定されています。
     また、相続開始の時から10年間経過した時も同様とする旨が民法に規定されています
     したがって、権利行使ができる期間に注意する必要があると思います。
 
事務員:遺言の内容に不服がある場合には、早めに弁護士さんに相談した方がよさそうですね。