認知症の相続人がいる場合と遺産分割

認知症の相続人がいる場合と遺産分割

事務員:遺産分割をする際に、相続人のなかに認知症で判断能力がない方がいる場合には、遺産分割はどのようになるのでしょうか。
    認知症の方に遺産分割の内容を説明しても、内容が理解できず、遺産分割を進めることができない場合もあると思います。
  
弁護士:ここでは、遺産分割の調停手続において、相続人のうちの1名に認知症のため、判断能力について、自己の財産を管理、処分することができない状態であり、その方の家族が成年後見人の選任に同意し、協力が得られる場合を前提として、説明します。
 
 
事務員:このような場合には、どのようにすることが多いのでしょうか。
 
弁護士:成年後見の申し立てをして、成年後見人を選任してもらうことが多いと思います。
 
事務員:成年後見人が選任されると、成年後見人は、どのような主張をするのでしょうか。
法定相続分を下回る内容の遺産分割を受け入れてくれるのでしょうか。
 
弁護士:成年後見人が選任された場合、成年後見人は、法定相続分を主張することが通常であると思います。
 
事務員:成年後見人が選任されると、遺産分割の問題に限らず、不動産や預金など財産の管理なども成年後見人がすることになるのですか。
 
弁護士:そうですね。遺産分割の問題に限らず、成年後見人は、成年被後見人の不動産や預金なども管理することになります。
 
事務員:遺産分割をする際、法定相続人のなかに判断能力がない方がいる場合には、弁護士さんに相談した方がよさそうですね。