遺留分侵害額とは、何ですか?
事務員:遺留分侵害額は、どのように計算するのですか?
弁護士:前回、遺留分額を説明しました。
事務員:そうですね。
弁護士:遺留分侵害額は、(遺留分額)―(遺留分権利者が受けた遺贈又は特別受益の価額)―(民法第900条から第902条まで、第903条及び第904条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額)+(遺留分権利者が承継する相続債務の額)によって計算します。
事務員:遺留分権利者が受けた特別受益とは、どのような意味ですか?
弁護士:特別受益については、別の場面で説明します。
事務員:遺留分権利者が取得すべき遺産の価額とは、どのような意味ですか?
弁護士:遺産分割の対象財産がある場合、遺留分権利者が遺産分割において取得すべき財産の価額を差し引きます。
事務員:例えば、遺言が存在する場合でも、遺産の全部が遺言に記載されておらず、記載がない遺産が遺産分割の対象となる場合もありますね。
ところで、遺留分権利者が承継する相続債務の額とは、どのような意味ですか?
弁護士:遺留分侵害額を計算するにあたり、民法は、「被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第899条の規定により遺留分権利者が承継する債務の額」を加算して算定する旨規定しています。
事務員:遺留分は、なかなか難しいですね。
遺留分について、いろいろ勉強します。
- 遺産分割の調停手続中に、相続人の一人が死亡し、その者の相続人がいない場合、どうすればよいですか?
- 相続放棄をしたことについて、寄与分が認められますか?
- 代襲相続があった場合、代襲者は、被代襲者の寄与分を主張することができますか?
- 先行する相続において、相続放棄をしたことは、寄与分に該当しますか?
- 寄与分について、被相続人死亡後の寄与を主張することができますか?
- 結婚式の費用は、特別受益に該当しますか?
- 遺留分侵害額請求の基礎となる財産の評価時点は、いつですか?
- 遺留分の主張に対し、寄与分を主張することはできますか?
- 遺留分を侵害する遺言について、遺言無効の訴訟を提起する場合、遺留分侵害額請求をしておいたほうが良いですか?
- 遺留分侵害額請求の意思表示に、請求額を明示する必要はありますか?