【Q&A】遺産分割調停と当事者の欠席
ご質問
私の父は、先月、死亡しました。私の父の法定相続人は、私の母、私、兄、妹の4人です。
遺産分割の協議をしましたが、私と兄の間で意見がまとまらないため、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。
私の母は、判断力は、十分あるのですが、遠方で生活しており、また、体が不自由であり、家庭裁判所の期日に出席することができません。
私の母は、家庭裁判所に事情を説明して、期日を欠席していました。
このたび、遺産分割の調停が成立する見込みとなりました。
私の母は、家庭裁判所の期日に出席することは難しい状況ですが、私の母が欠席した状態で、調停を成立させることができますか?
弁護士の回答
遺産分割の調停手続は、原則として全当事者が出頭して、合意すれば成立します。
家庭裁判所で当事者間の合意ができていて、当事者の一部の方が出席できない場合でも調停を成立させることができる場合があります。
なお、弁護士を代理人に選任している場合には、依頼した弁護士が出席すれば、ご本人が欠席している場合でも、通常、調停を成立させることができます。
当事者、代理人が出席しないでも調停を成立させる方法としては、例えば、音声の送受信による通話の方法による手続(家事事件手続法第54条1項、2項、第258条1項参照)、調停条項案の書面による受諾(家事事件手続法第270条参照)などの手続が考えられます。
もっとも、これらの手続が、常に認められるとは限りません。 遺産分割の調停手続について分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。 |
- 農地の相続について弁護士が解説
- 遺産分割の調停手続中に、相続人の一人が死亡し、その者の相続人がいない場合、どうすればよいですか?
- 相続放棄をしたことについて、寄与分が認められますか?
- 代襲相続があった場合、代襲者は、被代襲者の寄与分を主張することができますか?
- 先行する相続において、相続放棄をしたことは、寄与分に該当しますか?
- 寄与分について、被相続人死亡後の寄与を主張することができますか?
- 結婚式の費用は、特別受益に該当しますか?
- 遺留分侵害額請求の基礎となる財産の評価時点は、いつですか?
- 遺留分の主張に対し、寄与分を主張することはできますか?
- 遺留分を侵害する遺言について、遺言無効の訴訟を提起する場合、遺留分侵害額請求をしておいたほうが良いですか?