【Q&A】寄与分(家業従事型)

寄与分(家業従事型)

私の父は、昨年、死亡しました。

私の父の法定相続人は、私と弟です。

私の父は、農業に従事していました。
 
私は、大学を卒業後、地元に戻り、地元の企業で会社員として働いています。
 
私の父は、70歳くらいのときに、農業をやめましたが、私は、私の父が65歳くらいのときから農業のやめるまでの間、収穫など農作業が忙しい時期に、年に数日、仕事が休みの日に手伝っていました。
 
私は、父の死亡後、弟と遺産分割の協議をしていますが、話し合いがまとまりません。
 
私は、最近、寄与分という制度があることを知りました。

私は、父の農業を手伝い、特に報酬などはもらっていないので、寄与分が認められないでしょうか。
 
 

弁護士の回答

民法は、寄与分が認められるための要件として、「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるとき」旨規定しています。
 
本件では、会社員として働く長男が、父親が従事する農業について、仕事が休みのときに、年間数日ほど農作業を手伝い、報酬をもらっていないということが、寄与分に該当するか、問題になっていると考えられます。
 
個人的な見解ですが、報酬はもらっていなかったものの年に数日程度であり、仕事が休みの日に手伝っていたということですので、このケースでは、寄与分が認められる可能性が低いと思います。
 
寄与分について、分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。