【Q&A】行方不明者と遺産分割
行方不明者と遺産分割
質問
私の父は、先月、死亡しました。私の父の相続人は、私と母と妹と弟です。
私の弟は、3年ほど前、突然行方不明となり、現在に至るまで行方は分かりません。
私の父の遺産は、自宅の土地、建物と3000万円ほどの預金です。私の父の遺言はありません。
私は、私の父の遺産分割協議をすすめたいのですが、私の弟が行方不明の場合でも、遺産分割協議をすすめることができますか。
弁護士からの回答
遺産分割協議の成立は、原則として、法定相続人全員の合意が必要です。
民法25条1項は、従来の住所又は居所を去った者がその財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる旨規定しています。
そこで、法定相続人のうち、行方不明の者がいる場合には、不在者財産管理人を選任して、不在者財産管理人と行方不明者以外の法定相続人が遺産分割の協議をすることが通常です。
もっとも、不在者財産管理人は、通常、不在者の取得する遺産が、法定相続分を下回る内容の遺産の分割を提案しても、応じないと考えられます。
不在者財産管理人の選任手続き、遺産分割の協議、調停の手続きなどについては、弁護士にご相談ください。
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