【弁護士コラム】遺産分割と登記

遺産分割と登記

 

相続人が、遺産分割による不動産の権利の取得を第三者に対抗するためには、登記が必要でしょうか。

まず、遺産分割前の第三者について、説明します。

遺産分割には、遡及効があり、民法909条本文は、遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる旨規定しています。
しかし、民法909条但書は、遺産分割の遡及効について、第三者の権利を害することはできない旨規定しています。

そこで、例えば、相続人の債権者が、遺産である不動産について、法定相続分による共同相続の登記をし、当該相続人の持分を差し押さえた場合、後に、遺産分割によって当該不動産を取得した他の相続人に対しても、原則として、差し押さえの効力を主張できると考えられます。
 

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次に、遺産分割後の第三者に対して、相続人は、遺産分割による権利の取得を主張できるのでしょうか。

民法909条但書は、遺産分割前の第三者についての規定であり、遺産分割後の第三者については、適用されないと考えられます。
裁判例には、「不動産に対する相続人の共有持分の遺産分割による得喪変更については、民法177条の適用があり、分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗することができないものと解するのが相当である。」旨判示したものがあります。

したがって、遺産分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、遺産分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗するためには、登記が必要であると考えられます。
 


遺産分割協議によって、不動産を取得し、遺産分割協議書を作成した場合には、早急に登記手続きをすることをおすすめします。