【弁護士コラム】推定相続人の廃除

推定相続人の廃除

推定相続人の廃除の制度について、推定相続人が


①被相続人に対する虐待をし、若しくは重大な侮辱を加えたとき
②その他著しい非行があったとき


に廃除の制度が認められます。


推定相続人の廃除の制度は、遺留分を有する推定相続人についてのみ認められます。遺留分を有しない相続人については、被相続人が、全部の財産を当該相続人以外の相続人に相続させる旨の遺言書を作成したり、他者に遺贈したりすれば目的を達することができるからです。

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推定相続人の廃除をするためには、家庭裁判所に廃除の申し立てをする必要があり、家庭裁判所の審判によって、廃除がされます。


廃除の効果は、一身専属的であり、たとえば、廃除された者に子がいる場合には、代襲相続制度の適用があります。


廃除により、廃除された者は、廃除を請求した被相続人との関係で相続権を失います。もっとも、廃除は、取り消しの制度が認められており、被相続人の請求または遺言により、家庭裁判所の審判によって取り消すことができます。廃除が取り消されると、廃除された者は、相続権を回復します。