【弁護士コラム】持戻し免除の意思表示

持戻し免除の意思表示

特別受益に該当する意思表示があった場合、常に持戻しがなされるものではありません。民法は、持戻し免除の意思表示を認めています。すなわち、被相続人が、持戻しの全部または一部の免除の意思表示をしたときは、遺留分の規定に違反しない範囲で、この意思表示が尊重されます。
 

意思表示の時期は、法は特に規定をおいていません。したがって、贈与と同時に意思表示をすることも、贈与後に意思表示をすることもできます。遺言で持戻し免除の意思表示をすることもできます。

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意思表示は、必ずしも明示になされる必要はなく、審判において、黙示になされたと認定される場合もあります。
 

なお、遺留分の規定に反する持戻し免除の意思表示があった場合、当然無効ではなく、遺留分減殺請求を受けるにとどまると考えられます。