配偶者短期居住権は、どのように建物を利用できるのですか?

事務員:配偶者短期居住権では、配偶者は、どのように建物を利用できるのですか?
 
弁護士:配偶者は、配偶者短期居住権に基づき、無償で居住建物全部又は一部を使用することができます。
    居住建物取得者は、第三者に対する建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはなりません。
 
事務員:無償なのですね。
    ところで、配偶者短期居住権を譲渡することはできますか?
 
弁護士:配偶者短期居住権を譲渡することはできません。
    配偶者短期居住権を譲渡することを認めることは、配偶者短期居住権の制度趣旨に合致しません。
 
事務員:ところで、配偶者短期居住権に基づき、建物を修繕することができますか。
    修繕できないと、生活するうえで、不便だと思うのですが。
 
弁護士:配偶者は、居住建物の使用に必要な修繕をすることができます。
    もっとも、居住建物の修繕が必要な場合において、配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、居住建物の所有者は、その修繕をすることができます。
 
事務員:建物の所有者も、必要な修繕がされないと建物が傷んでしまうので、修繕したい場合もありますね。
    ところで、居住建物の必要費については、誰が負担するのですか?
 
弁護士:居住建物の通常の必要費は、配偶者が負担します。
 
事務員:そうすると、建物の保存に必要な修繕費は、誰が負担するのですか?
 
弁護士:建物の保存に必要な修繕費は、通常の必要費に含まれると考えられます。
    したがって、配偶者が負担することになると思います。
 
事務員:配偶者短期居住権は、いろいろ難しい問題がありそうですね。
    私も勉強しなくっちゃ。