【コラム】遺産分割の対象財産 株式(上場株式)

遺産分割の対象財産 株式(上場株式)

遺産分割において、遺産のなかに株式(上場株式)含まれる場合、様々な問題が生じる場合があります。
このコラムでは、私の個人的な経験から、問題となることがある主なポイントについて取り上げます。
 

①株式の評価

株式市場に上場している株式の場合、株式市場において、日々取り引きされており、価格については、通常、明確な場合が多いと思います。
もっとも、例えば、遺産分割の調停の際、いつの時点の価格を基準とするかについては、問題になる場合もあります。
 

株式の配当

株式の配当については、個人的な見解ですが、遺産の果実であり、当事者全員が合意すれば、遺産分割の対象となると考えられます。
もっとも、剰余金の配当の基準日と実際に配当が支払われる時期との間には、多くの場合、2ヶ月半~3ヶ月程度の時間差があります。
また、実際の配当額は、当該会社の取締役会の決議や株主総会の決議などの法定の手続を経て確定すると考えられます。
剰余金の配当の基準日の時点に予想していた配当額と実際の配当額が常に同一とは限りません。
遺産分割の調停において、株式の配当について合意する場合には、様々な点に注意しながら調停条項の文言を検討する必要があると思います。
 

③株主優待

上場会社のなかには、株主優待制度を設けている会社も多くあります。
株主優待制度には、様々なものがあり、例えば、図書カード、食品企業などの食品、外食企業などの食事券など多くの種類があります。
例えば、外食企業の食事券には、使用期限があることが通常であると思います。
被相続人名義の株式について、被相続人の死亡後に発生した株主優待についてどうするか、ここでは問題提起にとどめておきます。
 
このように被相続人の遺産に株式(上場株式)が含まれる場合には、様々な問題が生じる場合があります。
詳しくは、弁護士までご相談ください。