【コラム】遺留分減殺請求権の行使方法

遺留分減殺請求権の行使方法

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遺留分減殺請求権は、どのように行使するのでしょうか。


遺留分減殺請求権の行使は、裁判上だけでなく、裁判外でも可能です。民法上、遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないときは、時効によって消滅する旨の規定があります。

 

このように比較的短期の消滅時効の規定があります。そこで、当事務所では、原則として、遺 留分減殺請求に関するご依頼を受けた場合には、遺留分権利者が、相手方に対し、遺留分減殺請求をする旨の意思表示をする内容の書面を、配達証明付内容証明 郵便にて送るようにしています。

裁判例では、遺産分割の調停の申し立てが遺留分減殺請求権の行使にあたるか、問題となるケースがあります。遺留分権利者が遺産分割の調停の申し立てをしたとしても、当然に遺留分減殺請求権の意思表示があったとみることはできないと考えられます。もっとも、遺留分権利者が、被相続人の全財産を譲り受けた相続人に遺産分割協議の申し入れをした事案において、遺留分減殺の意思表示があったと解される旨判示した裁判例があります。


実務的には、遺留分減殺の意思表示があったか否か、争点になることを防ぐため、配達証明付内容証明郵便にて、遺留分減殺請求の意思表示をしておくことが無難であると思います。