【弁護士コラム】遺産分割の対象
遺産分割の対象
遺産分割の対象となる財産には、どのようなものがあるのでしょうか。
このコラムでは、現金と銀行預金を取り上げます。
まず、銀行預金について、裁判例は、法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継する旨判示しています。
その一方で、銀行預金について、共同相続人が合意の上で遺産分割の対象とすることはできる旨判示した裁判例があります。
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要するに、法定相続人全員の合意があれば、銀行預金についても遺産分割の対象にすることができますが、法定相続人のなかに合意に応じない相続人がいるときには、遺産分割の対象とすることはできないことになります。したがって、法定相続人全員が合意に至らないときは、各相続人は、銀行に法定相続分に応じた預金の払い戻しを求めて訴訟を提起するなどの対応を検討せざるを得ません。
例えば、相続財産が銀行預金だけの場合には、遺産分割の調停の申し立てをする前に法定相続人全員が銀行預金を遺産分割の対象とする合意をする見込みがあるか否か、検討する必要があります。
法定相続人全員が銀行預金を遺産分割の対象とする合意をしたうえで、遺産分割の調停が成立したときには、当該銀行預金を取得した相続人は、通常、調停調書などを当該銀行に提示することにより、預金の払い戻し等の手続きをすることとなります。
一方、現金は、遺産分割の対象となると考えられます。
このように遺産分割の対象となるか否かという点では、現金と預金では大きな違いがあります。

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