公正証書遺言の証人適格

公正証書遺言の証人適格

民法969条1号は公正証書遺言の方式として、証人二人以上の立会いがあることを規定しています。
また、民法974条は、遺言の証人、立会人の欠格事由を規定しており、具体的には、
 
①未成年者
②推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
を規定しています。

それでは、盲目である方が証人となった公正証書遺言は、公正証書遺言としての効力が認められるのでしょうか。

最高裁判所の裁判例には、
「民法969条1号は、公正証書によって遺言をするには証人2人以上を立ち会わせなければならないことを定めるが、盲人は、同法974条に掲げられている証人としての欠格者にはあたらない。
のみならず、盲人は、視力に障害があるとしても、通常この一事から直ちに右証人としての職責を果たすことができない者であるとしなければならない根拠を見出し難いことも以下に述べるとおりであるから、公正証書遺言に立ち会う証人としての適性を欠く事実上の欠格者であるということもできないと解するのが相当である。」旨判示し、証人適格を肯定したものがあります。

公正証書遺言について分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。