配偶者居住権とは、何ですか?
事務員:改正民法で、配偶者居住権という権利が創設されたと聞きましたが、配偶者居住権とは、何ですか。
弁護士:まず、条文を確認してみましょう。
民法1028条1項は、次のように規定しています。
被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(居住建物)の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき
事務員:それでは、まず、配偶者居住権は、どのような要件のもと、成立するのですか。
弁護士:配偶者居住権は、
①配偶者が、相続開始の時に、遺産である建物に居住していたこと
②当該建物が、被相続人の単独所有あるいは配偶者と二人の共有にかかるものであること
③当該建物について、配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈がされたこと
が要件とされています。
なお、死因贈与契約によっても配偶者に配偶者居住権を取得させることができます。
配偶者居住権の存続期間等については、別のところで説明します
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