株式会社の経営者が亡くなった場合の相続手続きについて弁護士が解説
はじめに
株式会社の経営者が亡くなった場合の相続手続きは、どうなるのでしょうか。
まず、株式会社と経営者個人は、法律的には、別個の権利義務の主体であるということがポイントになります。
したがって、経営者個人の財産、債務は、相続の対象になりますが、株式会社の財産、債務が当然に相続の対象になるものではありません。
次に、経営者が株式会社の株主か否か、問題となります。
次に、経営者個人が株式会社の金融機関に対する債務を連帯保証していたり、経営者個人が株式会社に貸し付けをしている場合があります。このような関係にあるか否かがポイントになります。
経営者個人の財産、債務と株式会社の財産、債務
経営者個人の財産、債務は、相続の対象となります。
もっとも、株式会社は、経営者個人とは、別個の権利義務の主体です。したがって、株式会社の財産、負債が当然に相続の対象となるものではありません。
経営者が株式会社の株主か否か
経営者が株式会社の株主である場合、その株式は、経営者個人の資産として、相続の対象になります。
経営者の持株比率が過半数を超えている場合などには、相続人が株式を相続した場合、今後の株式会社の運営をどうするか、考える必要があると思います。
経営者個人が株式会社の連帯保証人になっている場合
経営者個人の連帯保証債務も、相続の対象になります。
相続する連帯保証債務の範囲については、別のところで説明します。
経営者個人が株式会社に対し貸付をしている場合
経営者個人が、株式会社に対し、貸付をしている場合、貸付金債権は、相続の対象になります。
まとめ
ここでは、株式会社の経営者が亡くなった場合に問題となる主なポイントについて説明しましたが、問題となりうることは、上記にとどまるものではありません。
株式会社に関する法律関係を十分に理解したうえで、相続を承認するか、相続を放棄するか、共同相続人全員で限定承認をするか、検討する場合もあります。
相続について、分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。